ルールを覚えて何を切るかも分かってきたのに、まだ手が止まる場所が2つあります。テンパイしたときにリーチするかと、相手の捨て牌を鳴くかです。とくに鳴きは「速くなる」とだけ教わって、失うものを教わらないまま卓に着く人が多い。この記事は鳴くデメリットを4つに分けて数え、鳴いていい条件を3つに絞るところまでやります。
Q. 麻雀で「鳴く」デメリットは何ですか?
鳴いていいのは「役が残る・シャンテンが減る・打点が見合う」の3つを全部満たすときだけです(→3つの門)。1つでも欠けたら鳴きません。
この記事の前提ルール:日本で一般的な4人打ちのリーチ麻雀で、クイタン(鳴いたタンヤオ)あり・後付けありのいわゆる「アリアリ」ルールを前提にしています。Mリーグや主要なネット麻雀もおおむねこの設定です。ナシナシルールの卓では鳴きの判断が大きく変わるので、座る前にひとこと確認してください。一発・裏ドラの有無も採用ルールによります。
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初心者のうちは、これで構いません。理由は3つあります。
リーチ棒の1000点が惜しくてダマ(黙聴=リーチせずテンパイ)にする人が多いのですが、初心者のうちはリーチの得のほうが大きい場面が圧倒的に多いです。まず「テンパイ=リーチ」を体に入れて、例外を後から足していくのが順番として正しいです。
| 場面 | 考え方 |
|---|---|
| フリテンになっている | 自分の捨て牌にアガリ牌があるとロンできません(ツモはできます)。リーチの効果が半減するうえ、リーチ後は待ちを変えられないので、初心者はダマにして手替わりを待つのが無難です |
| すでに十分な打点があり 待ちが良い | 鳴かずに高い役が確定している手なら、ダマでも点は足ります。ただし判断が難しいので、慣れるまでは曲げてしまって構いません |
| 他家がすでにリーチしていて 自分の手が安い | 安手で押すと放銃のリスクが上回ることがあります。降りるという選択肢を思い出す場面です |
| オーラスで着順条件を 満たしている | あと1000点あがれば順位が確定するような場面では、確実にあがることが優先。ここはルールというより状況判断です |
ダマを選ぶこと自体は悪くありません。問題は、リーチ棒が惜しいという理由だけでダマにして、そのまま何も起きずに流局する形です。ダマにするときは「この牌を引いたら曲げる」「この形になったら曲げる」という条件を、その場で1つ決めてください。条件を決めずにダマにした手は、たいてい最後まで曲げられずに終わります。決めておけば、次の巡目からは引いた牌を条件に照らすだけで済み、判断の回数がぐっと減ります。
鳴く=手牌の一部を公開して面子を作ることです。手は速くなります。速くなる代わりに失うものが4つあり、初心者が事故るのはほぼ全部この4つのどれかです。
リーチ・メンゼンツモ・ピンフ・一盃口・七対子は、1回でも鳴くと付きません。ここでいちばん重いのはリーチが消えることです。リーチが消えるということは、一発と裏ドラも同時に消えるということで、実際には1翻ではなく打点の期待値をまとめて失っています。「鳴いたら1翻損する」という覚え方だと、この重さを取りこぼします。
ホンイツ・チンイツ・三色同順・一気通貫・チャンタは、鳴いても使えますが1翻下がります。狙っていた手が、鳴いた瞬間に一段安くなるということです。
公開された面子は、そのまま相手への情報になります。索子ばかり鳴いていればホンイツを警戒され、狙っている色が絞られて、必要な牌が最後まで出てきません。門前なら出ていたはずの牌が止まる、という形で損をします。ここは点数表に出てこない損なので、自覚しにくいのが厄介です。
鳴くと手牌の枚数が減ります。ポンやチーを2回すれば、手の中に残るのは7枚です。他家からリーチが入ったとき、安全牌を抱えて回るための余地がそれだけ小さくなります。鳴いて速くなるというのは、あがるまで押し切る前提が入った速さで、途中で降りる選択肢を先に手放しているということです。
| 鳴いても使える | 鳴くと消える |
|---|---|
| 役牌(白・發・中・自風・場風) タンヤオ※クイタン採用時 ホンイツ・チンイツ(1翻下がる) 対々和 三色同順・一気通貫・チャンタ(1翻下がる) | リーチ メンゼンツモ ピンフ 一盃口 七対子 |
ドラが3枚あると、つい急ぎたくなります。ですがドラは役ではありません。役の当てがないまま鳴くと、ドラ3を抱えたまま一生あがれない手になります。図3の①で止まる形です。門前で進めてリーチをかければ、リーチ+ドラ3で満貫が見えます。急ぐほど遠回りになる、という典型がここです。
チーはできるけれど、鳴いても手が進まないことがあります。手を短くして守りにくくしただけで、得は何もありません。図3の②で止まる形です。鳴ける=鳴くべき、ではありません。
| 状況 | どうする |
|---|---|
| 役牌が2枚あって 3枚目が出た | 鳴く。これで役が確定し、あとは形を作るだけになります。初心者がいちばんあがりやすいルートです |
| 手が2〜8の牌ばかりで タンヤオが見えている | 鳴いてよい(クイタン採用時)。ただし1・9・字牌が手に残っている段階で鳴くと、あとで役なしに転ぶので注意 |
| ドラが3枚あるが 役の当てがない | 鳴かない。ドラは役ではありません。門前で進めてリーチをかけるほうが確実です |
| ホンイツやトイトイが はっきり見えている | 鳴いてよい。ただし捨て牌から狙いが読まれるので、あがれないまま終わることも織り込んで |
| 鳴いてもシャンテンが 変わらない | 鳴かない。手を短くしただけ損です |
| とりあえず鳴いて 形を作りたい | 鳴かない。「なんとなくポン」で役なしテンパイになるのが、初心者がいちばんやる失敗です |
ポンと言ってから役を探し始める形です。直し方は順番を固定することで、鳴ける牌が出たら、まず「この手の役は何か」を口の中で言ってから手を伸ばします。言えなければ鳴きません。ワンテンポ遅れても、鳴きは次巡以降にもう一度チャンスが来ることが多い一方、役なしで確定した手は取り返しがつきません。
リーチ棒を出すのが惜しい、あるいは自分の待ちに自信がない、という理由でダマを続けると、打点が伸びないまま局が終わります。直し方は前述のとおりで、ダマにするなら曲げる条件を必ず1つ決めることです。条件が思いつかないなら、それは曲げるべき手です。
鳴いて手が短くなった状態で他家からリーチが入り、安全牌がなくて押すしかなくなる形です。直し方は、鳴くと決めた時点で「字牌を1枚だけ残す」と決めておくこと。1枚あるだけで、危険な巡目を1回やり過ごせます。デメリット4に対する、いちばん安いお守りです。
この4行を覚えておけば、卓の上で迷う回数はかなり減ります。残りは打ちながら体に入れる部分です。
次の1アクション:実際に1局打って、鳴きの判断を1回だけやってみる。
・鳴きとリーチをゼロから学ぶ → 麻雀のいろは(第7課「リーチとドラ」・第8課「ポン・チー・カン」)
・実戦で1打ずつ評価をもらう → 雀トレ 実戦トレーナー/何切るドリル
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